2026年9月、会社名やブランド名で検索する「指名検索」にもGoogleのAI Overviewsが表示される割合が急増したことが海外の複数の調査で報告されており、自社の名前で検索されたときに最初に目に入るのが「自社サイト」ではなく「AIによる要約」になる時代が近づいている。
指名検索で何が起きているのか
米国の検索データ分析会社DemandSphereが10月1日に公表したデータによると、同社が追跡しているブランド関連キーワードのうち、AI Overviewsが表示された割合は9月1日時点の約26%から、9月27日には約90%まで上昇し、その後も80%台で推移した。1か月で約3倍に増えた計算になる。
SEOツールを提供する米Ahrefsも同時期に、米国のデスクトップ検索を対象とした大規模な調査結果を公開している。ブランド名を含む検索でAI Overviewsが表示された割合は、7月の月平均61.3%から9月には73.3%へ上昇し、9月29日時点では82.91%に達したという。同社が2025年11月に行った調査では13.1%だったことを考えると、変化の大きさがわかる。
なお、Googleはこの変化について公式な発表をしていない。どちらも各社が独自に選んだキーワードや米国の結果に基づくデータであり、日本の検索結果にそのまま当てはまるとは限らない点には注意が必要だ。
なぜ「指名検索」の変化が重要なのか
これまで、社名やサービス名での検索は「すでにその会社を知っている人」が公式サイトにたどり着くための、いわば確実な入口だった。検索結果の一番上には自社サイトが表示され、そこから先の印象は自社でつくることができた。
ところが、指名検索にもAIの要約が表示されるようになると、利用者がまず目にするのは、AIが複数の情報源をもとにまとめた「その会社についての説明」になる。Ahrefsが世界的な有名ブランド100社の名前で調べたところでは、AIの要約で多く参照されていたのはWikipedia、YouTube、LinkedInといった外部のサイトだったという。つまり、AIが語る「自社の姿」は、必ずしも自社サイトの情報だけでつくられているわけではない。
中小企業にとってどんな意味があるのか
今回の調査は主に大手ブランドを対象としたもので、地域の中小企業の名前で同じことが起きているかどうかは、まだはっきりしない。ただ、検索の仕組みが大手から先に変わり、やがて広く行き渡るという流れは、これまでのAI検索の広がり方とも重なる。
そうなったとき、自社についての情報がウェブ上でどう語られているかは、自社サイトの中身だけでなく、口コミや地図情報、外部の紹介記事なども含めた「ウェブ全体での見え方」として問われることになる。古い情報や誤った情報が残っていれば、それがAIの要約に反映される可能性もある。自社の名前で検索されたときの第一印象を、誰が、何をもとにつくっているのか。その問いに目を向けておくことが、これからは一層大切になると考えられる。
まとめ
指名検索へのAI Overviewsの拡大は、「自社の名前で検索されれば、自社サイトが迎えてくれる」という前提が揺らぎ始めていることを示している。表示の仕組みは今後も変わり続けるだろうが、AIが参照したくなる正確で信頼できる情報を、自社の内外で積み重ねていくことの価値は、ますます高まっていくだろう。
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